前立腺肥大とは
前立腺肥大は、男性固有の器官である前立腺の組織が肥大化することで発生する病気です。前立腺は、膀胱の真下にある20g程度の小さな器官です。前立腺は、生殖機能に大きな影響を持つ重要な器官でもあります。
症状
前立腺肥大の主な症状は、排尿障害という形で現れます。これは、前立腺が隣接する膀胱や尿道が肥大した前立腺組織に圧迫されることによって起こります。前立腺肥大は三つの病期に分けられ、進行すると共に排尿障害が悪化し腎臓障害に発展する可能性があります。
膀胱刺激期
前立腺肥大の第一期である膀胱刺激期には、「尿量の減少」とそれに伴う「頻尿」が見られるようになります。また、排尿しようとしてもなかなか排尿されないことや、急に尿意が発生して尿失禁を起こす「切迫性尿失禁」などの症状が見られることもあります。
残尿発生期
第二期の残尿発生期は、「残尿感」が見られるようになります。一度の排泄される尿量も減少しているため、頻尿が起こりやすくなります。また、排尿時の勢いも弱くなっているため、排尿の終わり際はポタポタと垂れ落ちるようになっていきます。
慢性尿閉塞期
第三期の慢性尿閉塞期には、排尿自体が非常に困難になります。尿意を感じてトイレに行っても排尿が全く行われなかったり、あふれ出すように尿失禁する「溢流性尿失禁」を起こしたりするようになります。場合によっては尿の逆流による水腎症などを合併することがあります。
原因
前立腺肥大は、老化現象を原因として起こります。基本的に、前立腺は老化すると肥大または萎縮して機能が衰えるのですが、近年では肥大する傾向に傾いています。日本人全体の傾向としても前立腺萎縮が多く見られましたが、前立腺肥大の方が多くなってきています。また、前立腺肥大は40歳代ごろから見られる病気でしたが、20歳〜30歳代で発症する患者も増加していることなど、食生活にも原因があるのではないかと見られています。
前立腺肥大の治療法
前立腺肥大の治療は、事前検査で肥大した組織の大きさや位置を確定し、前立腺がんの有無を確認した上で行われます。前立腺がんが起こっていた場合は、前立腺の全摘出手術を行います。
薬物治療
前立腺肥大の薬物治療で主に使われるのは「α1ブロッカー」と「抗男性ホルモン剤」です。α1ブロッカーは、前立腺の収縮に作用して膀胱や尿道の圧迫を緩和します。抗男性ホルモン剤は、男性ホルモンの働きを弱めて前立腺を萎縮させます。
外科治療
外科治療としては、内視鏡を尿道から入れて肥大した組織を切り取る「経尿道的前立腺切除術」が一般的ですが、技術の進歩に伴い実用化された医療用レーザーで肥大組織を焼く手法や、マイクロ波照射装置を患部に挿入して肥大組織を焼く高温療法などの日帰り治療が出来る手法が盛んに行われています。また、長期治療として「ステント」と呼ばれる管を圧迫されている部分に留置する方法もあります。
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